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好きを仕事にして笑顔をつなぐ働き方~PowerWomenFes!2019トークセッション

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「好きを仕事にする」ということの楽しさや難しさ、これからアーティスティックな起業を目指そうというママたちへのアドバイスなどがぎゅっと詰まった明るいトークが繰り広げられたのは、渋谷キャストで開催された私らしく生きるママの学びイベントPowerWomenFes!2019。

第三子の出産を間近に控えた日本おひるねアート協会代表理事、青木水理さんの大きなお腹に客席の視線が集まりました。

暖かな空気に包まれた会場で和やかに始まったトークの様子をお届けします。

<トークセッション出演者>
(写真左)
一般社団法人 日本おひるねアート協会代表理事
青木水理さん
https://www.ohiruneart.com/
(写真右)
カルトナージュ教室アトリエキーム主宰
萩谷麻衣子さん
https://ameblo.jp/keym2010/

「好き」から始まった働き方。小さく始めて大きく育てる。

―――お仕事始められたきっかけや現在の様子などを聞かせてください。

(青木さん)
「今から7年ほど前、二人目の子が生まれたときに我が子をかわいく撮りたくて『おひるねアート』を始めました。赤ちゃんに背景や小物をつけて真上から撮影するというものです。

わが子を撮影した『おひるねアート』を自分のブログに載せていたところ、メディアに取り上げられ取材されるようになり、ブログを始めてから4ヶ月で初の写真集を出版することになりました。」

こちらは3冊目となる著書

(青木さん)
「もともと仕事にする気はなく、出版したときも思い出づくりのようなつもりでいました。ところが、出版を機にいろいろなお仕事の話を頂くようになって、そのうちに個人の手に負えなくなってきました。『これだけ需要があるなら、共感してくれる人がいるかもしれない』と思うようになり、協会を立ち上げるという形で起業しました。

2013年10月に協会を立ち上げ、ちょうど丸5年経ちました。1年に100人のペースでおひるねアートの認定講師が誕生し、現在は全国に500名強講師がいます。講師が開催するおひるねアート撮影会では、毎年全国で約5万人の赤ちゃんを撮らせていただいています。」

青木さん自身も子連れ出勤経験者。おひるねアートのモデルにもなった息子さんをおんぶして、企業で打ち合わせのひとコマ。

(青木さん)
「現在は東京と神戸にオフィスがあり、都内には撮影スタジオがあります。スタッフや在宅秘書、おひるねアート講師も8割が未就学児の子どもがいるママたちで、子連れで働ける環境づくりにも取り組んでいるところです。

具体的な私の役割は、協会の代表の他に、スタジオのプロデュース、アーティストとしての活動、作品提供などを行っています。」

(萩谷さん)
「カルトナージュってみなさんご存知ですか?最近やっと認知度が上がってきたかな、と思うのですが、もともとフランスの伝統手工芸で、厚紙に布を貼って装飾するものです。それが日本に取り入れられて、習い事や教室として広がってきています。」

世界に一つだけのオリジナルアイテムを作ることができるのががカルトナージュの魅力

(萩谷さん)
「カルトナージュを始めたのは職場での出会いがきっかけです。

もともと保育士をしていたのですが、結婚後、転居を機に保育士を退職しました。大好きな仕事でしたが、この機会に違う仕事をしてみよう、OL業をやってみようと思って(笑)企業に就職しました。

そのときの上司がデスク周りをカルトナージュで揃えていて、これ何だろう?なんて素敵なの!と感動したのがカルトナージュだったんです。

仕事をしながらカルトナージュを習い始めて、そこで出会った先生が、とても輝いて見えました。

フランス人の旦那様がいらして、子育てもしながら日本とフランスを行ったり来たりしている先生は、家事育児などきちんとやることをやって、好きなことを仕事にしている。

こういう働き方も可能なんだ、こんなライフスタイルもあるんだ、ということが私の中で大きな気づきでした。

私も先生になってみたい!と2010年に教室を開くことに。

お友達をお客様にすることで、それまでの関係を壊してしまうのではないか…という不安に。

友人関係を頼りたくなかったので、駅前でチラシを配ったり、ほんとうにゼロから、地味に(笑)誰にも頼らずにスタートしました。

そうして2、3年続けてきたころ、カルトナージュの魅力や女性が雇用ではなく自分で働くことなどの波がぴったり合って、自宅教室が一気に波に乗り始めました。」

(萩谷さん)
「起業当初は自宅で教室を開くことに家族から反対があり、正直私もどんな方がいらっしゃるのか分からないという怖さもありました。

ですので、駅前にある保育園の託児付きフリースペースを借りて、生徒さんのお子さんを預かりながら教室を開いたんです。

そのうちにお客様も徐々に増えてきて、自分のテイストを伝えるためには、自宅にお呼びして普段の暮らしの中でのカルトナージュ作品をお見せしたほうが良いかと感じるようになりました。

実はなかなか子供が授からず、仕事で生きていこう!と思った時期でもあったんです。

何か人が集まるようなことをしていたら夫婦二人でも寂しくないかなと。自宅でお客様をお呼びして、しっかりと運営していったほうがいいかと考え、起業して3年目に自宅教室にシフトしました。

実はそんななか長男を授かったのですが(笑)その頃はひと月に100人以上の生徒さんを自宅教室にお呼びしていました。

続けているうちにだんだんと生徒さんにも技術が身についてきて、みなさんとても上手な方ばかりでした。

生徒さんとは教えて終わりではなく一生のお付き合いにしたい、関わったのならば応援したいという気持ちになったのが起業して4,5年後のころ。

生徒さんが『先生』としてお仕事できるような場所を探したいと思い、児童福祉科卒の私のテリトリーだった場所、保育園や高齢者福祉施設に行きつきました。

今ではデイサービスなど高齢者施設で年間3500人から4000人ほどの方に受講していただき、自宅教室を卒業した生徒さんには『先生』として活躍してもらっています。」

デイサービスに通っている奥様の作品を観にいらしたご主人もカルトナージュを体験。
夏休みにはキッズ向けワークショップも開催。

―――技術を伝えておしまいではなく、人とのつながりを大切に、講師の方のその後の活躍の場を作ろうとなさっているところがおふたりのお人柄が分かるところではないかと思います。

失敗はチャンス!そんな時に大切なことは?

―――おふたりのお話は順風満帆に聞こえてしまいますけれど、ちょっと意地悪な質問をしてもいいですか?失敗したこと、うまくいかなかったことはありますか?

(青木さん)
「失敗ばかりです(笑)。子どもがいると、仕事と生活とのバランスがどうしてもうまく取れなくて、最初のうちは苦労しました。

自宅とは別にオフィスを持った頃、上の娘は小学2年生でした。学童から帰宅してひとりになる時間もあったり、寂しい思いをさせているのではないかなと心配したりしたこともあります。

よく仕事と子育ての両立について聞かれますが、私は両立はできないものだと思っています。ぜんぶひっくるめて自分の生き方、だと。」

(青木さん)
「大切なのは、仕事と子育て以外に、自分が自分でいられる場所を持つことかなと思います。

今振り返ると、起業して3年目くらいは楽しかったけど、同じくらい病んでいたかなと(笑)。

起業したての頃は、確かにすごく頑張る時期なのですが、土台が整ってきたら、自分の時間を大切にした方がバランスを取れるかなと思います。

趣味だったりサードプレイスを持つといいかもしれません。
今やっと自分のバランスがとれるようになってきました。」

(萩谷さん)
「私の性格なのかもしれませんが、大きくチャレンジしないから大きく失敗しない、というところがあるかもしれません。あとは小さな失敗を失敗と思っていないかも(笑)。

同じ日にレッスンの予約を重複させてしまった、なんてことがあります。
自宅教室で4席、少人数制を売りにしているのに、ドアを開けたら8人来られていてびっくり!なんてことも。丁寧に謝ってレッスンをさせていただきましたが、その後のフォローが大事だと思っています。

現在、毎月たくさんの講師が高齢者施設でレッスンしてくれていますが、この体制になって4年の間にたった2回だけ、レッスンに必要なものを忘れて出てしまったということがありました。

すぐに連絡をくれた講師には落ち着いてもらって、対応を相談。
レッスンは無事に終了しましたが、その後講師と私からきちんと謝罪させていただきました。

もちろんこちらがご迷惑をかけたことに変わりはないのですが、講師自身が今まで積み重ねてきたものはもちろん、誠意をもって最後まで対応することでお客様と講師の、そして私と講師の絆も深まるということがあります。

ミスはしないのが一番ですが、失敗した時ってチャンスなんだと思います。 信頼関係を強くするチャンス。今までも自分が試されているような場面が何度もありましたが、最後まで必死にやり抜くと働き方は変わってくると思います。

カルトナージュは厚紙と布だけですが、よく10年も続いているなと自分でも思います。それは日々の積み重ねとお客様がいるからこそ、講師として活躍してくれる方がいるからで、誰ひとり欠けていたら今日ここにないと、感謝の気持ちでいっぱいです。」

『好き』を仕事に。その魅力は?

―――おふたりのお人柄がよくわかるエピソードですね。それでは、これからおひるねアートやカルトナージュをやってみようかな、私も講師になれないかしら?と思っている方へ、魅力を教えて頂けますか?

(青木さん)
「日本おひるねアート協会では『講師育成プログラム』を年に10回ほど全国各地で行っています。

参加される方の志望動機はいろいろです。がっつり仕事にしたいという方もいれば、おひるねアートが好き、写真が好きという方、赤ちゃんが好きという方などさまざまです。共通しているのは自分の中の『好き」を、小さいものでも大事にしていることですね。

撮影会に来ていただけると講師たちの働き方もわかると思います。意外に赤ちゃんをあやすので筋肉痛になるとか(笑)講師はみんな、ほんとうに笑顔でキラキラしています。

『講師になろうLINE』というのもあるので、おひるねアート講師に興味がある方はぜひチェックしてくださいね。撮影会にもお子さんと遊びにいらしてみてください!」

URL認定講師に興味がある方は https://line.me/R/ti/p/%40vxm2420l
またはLINEで@vxm2420lを検索

(萩谷さん)
「カルトナージュは『ツール』で、カルトナージュ講師は人の笑顔に出会える仕事だと思っています。そんなものを持っていると、自分自身も一生輝き続けられるのではないかなと思っています。

アトリエキームの講師たちはみんなのびのびしています。自身の教室と並行して私の仕事を手伝ってくれている方もいれば副業としてお手伝いしてくれている方もいます。いろいろな働き方を提案できるので、そのなかに自分の『好き』を含めてもらえたら、なお一層その方の人生も輝くような気がします。ご興味ありましたらお声かけてください!

最新のレッスン情報はアトリエキームのブログから
http://www.keym2010.com/index.html

――おふたりとも、ありがとうございました!

<トークセッションに参加して>
私自身、子どもたちの服を作ったり家具を作ったりと、ものを作ることが大好きなので、おふたりの笑顔の源、エネルギーの源泉にとても納得しました。自分の「好き」を小さいものでも大切にすることは、人生を輝かせてくれるのですね。

一方で、「好き」から始めたことを仕事にする勇気とたいへんさも想像してしまって、失敗談はのめりこんで聞いてしまいました。「失敗はチャンス」心強い言葉です。

子どもや家族に振り回されがちなママの立場は、ついつい自分の「好き」を後回しにしがちです。でも、それをちゃんと大切にすることから芽を出すチャンスもあります。勇気が湧いてくるトークセッションでした。

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2011年から「ママが笑顔で働き続ける」をテーマに活動する起業ママのコミュニティです。 働き方の選択肢に「起業」を加えることで、ママの意欲に蓋をしない社会をつくりたい。 家庭での「ママ・妻」として、社会で「働く人」として、「自分を活かす働き方」を後押しするため、プロジェクト株式会社が運営しています。
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