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砂糖・塩・油を使わないのにおいしい!『子ども向け弁当』の秘密とは?

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時間に追われて食事に手が回らない日も、子どもたちがおいしく食べられる安心できる幼児食があったら…ママはほっとできるし、何より「ご飯を作れなかった」という罪悪感から解放されると思いませんか?

お母さんの気持ちに寄り添い、安心安全な食材そのものを楽しめる子ども向けのお弁当を製造・販売する『子どもの食卓』の試食会に参加しました。

創業の想いや砂糖・塩・油を使わないおいしさの秘密などを伺いました。
子どもが苦手な青菜のうま味を引き出す茹で方も教えていただいたので、記事後半でご紹介しますね。

おいしさを加えるのではなく「引き出す」子ども向け弁当

2月末、都内で行われた『子どもの食卓』お弁当試食会に、ともえ編集部も参加しました。

木材のわっぱに用意された五味(甘味・塩味・酸味・苦味・うま味)を感じられるというおかずをいただくことに。

砂糖・塩・油を使わず調理したと聞き、どれほど薄味なんだろう…と思いながら一口いただくと、その味わいの深さに驚きました!

奥から時計回りに、じゃがいものアオサ和え、焼きにんじんのみりん焼き、切り干し煮干し、かぶの梅酢漬け、ほうれん草とはたけしめじの胡麻和え。オレンジ、白、緑が映える色鮮やかなおかずたち。

にんじんはほっこりしっかり甘く、シイタケや切り干し大根からもじゅわっとお出汁の風味が口に広がります。

じゃがいものアオサ和えは乾煎りしたアオサの塩気だけで、お塩は使っていないそう。

普段の食事はいつもバタバタしていますが、ひとつひとつ確かめるように、ゆっくりじっくり味わせていただきました。

なんとこれ、子ども用のお弁当として東京都内で実際に販売されているものなんです。

「ちっとも楽しくない食卓」を経て、たどり着いたひとつの答え

幼児食弁当の製造・販売をする子どもの食卓株式会社の代表を務める権寛子さんは2児のママ。

大学卒業後は会計事務所や証券会社に勤め、その後、妊娠、出産を経て専業主婦に。

その頃から「子どもの食ってどうあるべき?」という思いを抱くようになったそうです。

「気になるととことん調べてしまう性格。3歳までに味覚が完成し、12歳前後に向け味を感じる舌の味蕾が増えていく。この時期は色々な味の経験をたくさん積むことが子供の味覚の発達に良いこと、周りの方と食事をし『美味しいね』という経験をすることが大切だと知りました。」

一方で現実は思うようにいかなかったそう。

「どんな食事が望ましいかと分かっていながらも、子どもと公園へ行って夕食づくりの頃にはへとへと…。スーパーで総菜を買おうとしても添加物が気になってしまい、やっぱり手作りしよう!と疲れた身体で頑張って料理をしている間も子供はぐずぐず…一生懸命作ったのに食べてくれない…。」

『ちっとも楽しくない食卓』だったと振り返る権さんですが、そんなとき料理家のうすいはなこさんと出会います

「シンプルに焼いただけのにんじんだったのですが、しみじみ…おいしかったんです。」

野菜嫌いな娘さんはうすいさんのお子さんと奪い合うようにお鍋いっぱいのにんじんを食べてしまったとのこと。

「その頃の私はにんじんだったらみじん切りにしてハンバーグに入れるとか、苦手な野菜の形や味を無くして、いかに食べてもらうかばかり考えていました。子どもの味覚は大人の2倍も敏感だと言われています。食材のうま味を引き出す調理法を知ったことで、子どもも野菜を食べるようになったし、何より自分もラクになりました。」

子どもと囲む食卓は本来楽しいものであるはず。

それが気を付けることやこうあるべきという縛りを作って、どんどん苦しくなってしまっていたことに気付いたという権さん。

「こんな想いをしているお母さんは私一人ではないはず。」

毎日子育てや仕事に忙しく過ごしているお母さんが、丁寧に食事を作るのが難しいときは必ずあるもの。

罪悪感を持ちながら市販品や外食を子供に食べさせる…そんな後ろめたさを感じてほしくない。

そのような思いから、厳選された旬の食材のうま味が詰まった幼児食※のお弁当販売を考え、子どもの食卓株式会社を立ち上げました。

※幼児食とは:一般的に離乳食が終わった後から5歳ころまでの食事を指す。『子どもの食卓』ではその後味蕾(みらい:)主に舌の表面にある味を認識する器官)が完成に近づく小学校低学年までを幼児食期と考えているとのこと。

砂糖・塩・油がダメというわけではない

『子どもの食卓』のお弁当を監修する料理家うすいはなこさんは3児のママ。

「砂糖・塩・油がダメということではなく、過剰にとってほしくないというだけです。普段の食生活で十分摂取しているので、子どもの食卓のお弁当では砂糖・塩・油を出来る限り使わないようにしています。その代わり、天然の出汁や発酵調味料で食材のうま味を十分に引き出してお弁当を作っています。」

なかでも大切にしているのが酒とみりん。

「日本酒は赤ワインと比べると4倍ものアミノ酸が含まれています。アミノ酸はうま味のもと。おいしさが増え、味が複雑に、豊かになるんです。」

そんな風に意識して調味料を使ったことがなかったので、目からうろこでした。

旬の食材自体が持つおいしさとそれを引き出す調味料はもちろんのこと、うま味を引き出す調理法にこだわっているいからこそ、味付けに頼らないおいしさが成立するとのこと。

「例えばふろふき大根は、蒸して一度冷ましてから出汁で煮ることで、しっかり味が入ります。
今日お出ししたにんじんは、アルミホイルでくるんで100-130℃のオーブンで90分以上かけて焼いただけ。野菜のオーブン焼きというとオイルを使うものが多いですが、今日は野菜の表面にみりんをつけただけ。焼くことで甘みが増す。焼き芋の原理と同じです。」

焼きにんじんとは、これも驚きました!

「そもそも『甘い野菜』なんて無いんです。野菜は苦いもの。そうでないと外敵に食べられてしまいます。甘いのは種を鳥に運んでもらう果物だけ。」

冬の野菜は水分が凍ってしまわないように、でんぷんを糖に変えて糖分を増やします。だから冬の場合は糖をしっかりためた食材を選ぶ。その甘みを引き出す調理法が大切です。

「時期のものは美味しい」自然の理にかなったことなんですね。

野菜にストレスをかけない。青菜のゆで方

「うま味や甘みはエネルギーになるものなので、本能的に必要と感じ、好んで食べます。反対に苦い、酸っぱいものは本能的に避ける味なんです。だから『大丈夫』と学習しないと食べることができないんです。」

確かに、子どもがピーマンや玉ねぎを嫌がる理由は、本能的に「腐っている。まだ熟していない」と感知するからだと聞いたことがあります。

「苦手だからと出さないでいると、食べられるようになりません。食卓にあげて、少しでも口にしてみることが味の『学習』につながりますし、様々な味わいがあることで食事の満足度もあがります。ただ苦みを学習させたいけど、嫌いにはなってほしくないな、というのも本音ですよね。」

ということで、苦手な子どもが多い『青菜』のうま味を引き出す茹で方をデモンストレーションしてくれました。

① 青菜1本(1束ではなく)に対し、3.5リットルたっぷりのお湯を沸かす
② 青菜を入れ、再びお湯が沸点に上がったら菜箸で一度ひっくり返す
※2分程度。
※沸いている状態を保つために、鍋いっぱいに、一度に青菜を入れない
③取り出したら、冷水にとる。
④葉をした、茎を上に持ち、上から真下に向かって優しくしぼる
※決してねじらない!

「そしてここの根元、切って捨ててしまう方が多いと思いますが、青菜がエネルギーをためている本来一番甘みがある部分なんです。食べ物にストレスをかけない調理法が大切です。そして捨てないためには良い野菜を選びましょう。」

ここまで丁寧に青菜を茹でたことがない私としてはすべてが衝撃でした。

普段捨ててしまう青菜の根元部分も試食しましたが、柔らかくて味わい深く『美味しい』部分でした。

週3回だけの幼児食弁当販売。今後の展開は?

子どもの食卓のお弁当は水・木・金、週3日の販売のみ。

販売日をもっと増やしてほしいというリクエストは多いはずですが、今後はどうなのでしょうか?

「私たちはお母さんが台所に立つ姿を消したいわけではありません。月・火は週末の作り置きおかずで乗り切れるけど、週半ばの水曜頃から疲れが出てくる…金曜日はもうふんばれない。そんな声を受けて水・木・金、週3日お弁当の販売をしています。」(権さん)

「今は「お弁当」という形態をとっておりますが、子どもに安心して食べさせることができるレトルトを作ってほしいという声も多くいただきます。ゆくゆくは全国の働くママさんたちがもっと手に取りやすく、日々の暮らしをサポートできる姿を目指しています。」

実際にわが子と食べてみました

実際に販売されている『子どもの食卓』のお弁当をお土産にいただいたので、子供に感想を聞いてみました。

4歳の息子。普段からサラダは好きだけど(多分ドレッシングが好きなだけ)青菜は…どう?

「ほうれんそう、おいしい~!かぶはすっぱいからにがて~」との感想。

一応口に入れて酸っぱさを認識したので、まあ良し(笑)。

鶏肉の下に隠れていた大豆は「あま~い!」と喜んで食べていました。たまたまこの日、保育園で味噌づくりをした息子。「おみそと同じダイズだね!」と。

ひとつひとつのおかずについてインタビューしながら、こんなゆとり時間が取れるのは『お弁当』の手軽さゆえだと改めて実感しました。

普段食に対してそこまでストイックではない私ですが、スーパーで加工品を手にするとき、裏面に表示されたたくさんの文字にぎょっと心配になり、そっと棚に戻すことがあるのも事実です。

『子どもの食卓』のお弁当の原材料はいたってシンプル。知識が無くても「余計なものは入っていない」という安心感が存分に伝わります。

オムライスやハンバーグが大好きな子どもたちですが、体のためにも、そして食材豊かな日本に暮らす特権としても、うま味たっぷりの和食をおいしい!と感じられる人間に育ってほしいなと願っています。

私が毎日作るのは難しいのですが…(笑)ちょっと疲れた、手を抜きたい、そんな気が緩む日こそ味わい深い和食を手軽に楽しむ選択肢として『子どもの食卓』の今後に大注目したいと思います!

子どもの食卓についてはこちら
https://kodomonoshokutaku.com/
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2011年から「ママが笑顔で働き続ける」をテーマに活動する起業ママのコミュニティです。 働き方の選択肢に「起業」を加えることで、ママの意欲に蓋をしない社会をつくりたい。 家庭での「ママ・妻」として、社会で「働く人」として、「自分を活かす働き方」を後押しするため、プロジェクト株式会社が運営しています。
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