ママの働き方

個人が得意なことを組み合わせて「スーパー」なチームを。スーパー秘書™立ち上げのストーリー

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今回の働き方図鑑で紹介するのは、ガイアモーレ株式会社代表取締役社長の、須子(すこ)はるかさん。

2004年に26歳で起業し、コーチを探しているクライアントとコーチを引き合わせる「ベストコーチ.JP」や、会社や自分をもっと好きになるための研修やセミナーを提供する「ベストセミナー」、講師のための総合サポートサイト「講師力.JP」といった事業を展開してきました。

2015年からは、「スーパー秘書™」という新たな事業も立ち上げ。
この事業に対する想いを伺いました。

起業のきっかけ

新卒でIT企業に就職。3年コンサルタントの業務をしていました。

その後、ブラジルに渡り、ボランティア活動を8カ月ほど行いました。
貧困地域の人たちのために家を作ったり、ストリートチルドレンとも関わり、一緒に農作業を行ったり夜間学校に通う子どもたちと生活したりもしました。レンガを運ぶこともしていたんですよ。

結局、家を数件建てました。
でも、一生家を建て続けたとしても、根本的な問題は解決しないと思うように。

これ以前、アメリカで路上募金をして活動資金を集めていたのですが、苦労しました。
道行く人に100人話しかけても、聞いてくれるのは1~2人。
忙しそうに歩み去る人たちを見て、自分のために手いっぱいだと人のことまで手が回らないのだと実感。

「私たちひとりひとりの心が豊かになれば、周りの幸せにも意識が向くようになるのかも」と考え、帰国しました。

帰国後、そんな想いが叶えられる会社が日本にあるか探したものの、どこもピンとこなくて、「それならば自分で会社を作ろう」と立ち上げたのが、ガイアモーレです。
当時、「フリーランス」という働き方を知らず、「デキ婚」ならぬ「できちゃった起業」でした。

ガイアモーレには、「北極星」と呼んでいるビジョンがあり、「誰かのために何かをしたい」というそれぞれの想いを形にできる社会を目指して、手段としてはいろんなことをやってもいい会社を作りたいと思っていました。

最初はフェアトレードを行おうと思っていましたが、共同創業をしたパートナーがコーチングをしていたことから、コーチング事業に取り組むことにしました。

人材関係は専門外だったのですが、「コーチングで悩みが解決した結果、活き活き自分らしく活躍できるようになる」人たちを見て、方向性を確信しました。

結婚・出産を経て

起業から3年ほど経ち、7年間遠距離恋愛を続けていたフランス人の彼と結婚しました。
彼は入籍後、日本の企業で働きはじめました。

その後、32歳・34歳・36歳で妊娠・出産。
3カ月までは在宅で仕事をして、それぞれ4カ月から保育園に通わせました。
子連れ出勤も楽しくできる職場です。

夫の仕事は基本在宅で、出社は週1回くらい。
子ども達が病気のときなど交代で見ることができるので、大変助かっています。

スーパー秘書™立ち上げのきっかけ

講師など一人で仕事をしている方を対象に、サービス提供をしており、悩みを聞く機会も増えました。
共通しているのは、人手は要るけど雇えない、とはいえ自分一人で全てはできないということ。

ブログのリライト・動画編集・書類の整理作成など、業務はいろいろあります。
一方、弊社自身も数年前に社員が同時に辞めていった時期があり、雇い続けるのは難しいとも、感じていました。

そこでしばらく社員を採用するのを止め、現社員のママ友やPTAなどの知り合いに、1日3時間ほどの業務委託で働いてもらいました。
適度の距離感がよかったのか、これが意外とうまくいきました。

この形態を貸し出して、手頃な値段で代行ができたら喜ばれるのでは、と思いました。
そうすると人出が足りないので、他から人を集めてチームを作ってやってみよう、というのがスーパー秘書™立ち上げのきっかけです。

そして、スーパー秘書™立ち上げへ

2015年に入り、モニターを募集し、そこで出た問題や課題を整えていきました。
半年ほどして、岡崎麻友美さんがスタッフとして入ってから(当初は業務委託)事業も軌道に乗り、その年の12月にはスーパー秘書™が正式リリースとなりました。

※ちなみに岡崎さんは、駐在員の妻として同行するために退職したのですが、再就職は難しく、働き方を模索していたときに、知り合いからスーパー秘書™のことを聞いたそうです。

2016年8月現在、導入企業70社、スーパー秘書™は87名に増えました。
東京だけでなく、大阪・熊本・北海道…そして海外にいます。
新規登録の方には、2カ月待っていただいてる状態です。

応募形態は、主に3種類に分けられます。

  • フリーランスのライターやデザイナーなど、既にプロとして活動している方。
  • 介護や育児などで時間に制限がある、または地方に住んでいる方。

そして予想していなかったけど多いのが、

  • 副業として、稼ぎを増やしたい。または将来的に在宅ワークで独立したいので、その準備・勉強をしたい方。

女性、特に子育て中の方が多いですが、男性もいらっしゃいます。
男性も介護などで、女性と同じ立場になる方も増えてくるし、また男性と女性それぞれの得意分野を生かしていけたらと思います。

事前にスキル・バックグラウンド・希望の仕事などを聞き、基本的には指名制で業務を行っています。

自身で営業活動をしなくてよいのが利点です。
もちろん、オープン案件(公募)もあります。

クライアントとの間にマネージャーが入ることで、スーパー秘書™は軋轢を感じないので、ありがたいといわれています。

スーパー秘書™今後の展望

人手が足りないことは、中小企業で多く起きている問題で、これを解消するのが社会的に求められています。

数を増やすことに意味があるので 体制を整えて明日からすぐ受け入れられるようにして、導入企業1,000社を目指したいです。
、数年の育児ブランクを経て、スーパー秘書™マネージャーとして働かれている草野祐子さんに、はじめたきっかけ・働き方・その魅力についてお聞きしました。
▲マネージャーとして働かれている草野祐子さん。自宅でお仕事中のご様子

仕事中心の20代、そして夫の転勤

私の20代は仕事中心の毎日でした。
就職した会社が分社化したり、自分自身も独立したり、そしてまた会社の一員となったり、激動な感じでしたが、今思えば、そんな環境の中、本当に様々なことが身についていったなと感じています。

そんな私の転機になったのは、30歳で結婚したことではなく、32歳で出産したことでもなく、主人の転勤が決まったことでした。

会社を退職したのは結婚後のことでしたが、元々個人で仕事をしていたので、私の中では転機、という感覚ではありませんでしたし、出産前後は仕事をしていませんでしたが産休の感覚があったので、落ち着いたら仕事をしようと準備もしていました。

ですが、主人の転勤、しかも東京から大阪へということで、予定は一旦白紙となりました。
「ああ、これが転勤族の妻ってことなのだ」と。

とはいえ、新しい土地での暮らしは楽しみでもありましたし、主人の転勤は神様が「今は仕事ではなく、別のことに取り組むときだ」と背中を押してくれたんだ、と理解していました。
確かに、あのときは「早く仕事復帰しないと!」と焦っていたからです。

大阪に引越して、少しだけ継続させていただいていたお仕事があり、それには取り組んだのですが、その後は完全に無職となりました。

でも、娘は日々成長していくので、彼女と向き合う毎日は、仕事をしているのと同じくらいに充実した毎日でもありました。
当時、「私のクライアントは娘」と口癖のように言っていたように思います。

娘が幼稚園に入る年齢になり、それまでずっと娘と一緒だった毎日に「一人の時間」ができました。
8:30〜14:00まで、毎日のルーティンな家事を除けば4時間前後の時間です。

働くにしても、そこは転勤族の妻です。
すでに異動から3年近くが経っていたため、いつ異動になってもおかしくはありません。
そう思うと、就職活動をするという選択肢はありませんでした。

で、何をしたかというと、ジム通いと資格試験の勉強です。
全国どこへ行っても働けるように、元々幼児心理学出身の私は保育士試験を受けることにしました。

それから、体力作り。
仕事をするには体力が大事、と思っていたので(笑)。
結局、保育士試験に受かるのに、3年かかってしまいましたが。

スーパー秘書™との出会い

娘が幼稚園の年中に上がってすぐに主人の転勤が決まり、転勤族の妻としての仕事(引越しに関わる諸々は私の役割)をこなし、やっと落ち着いたのは娘、年中の冬。
あと1年で小学校へ上がるとわかったので、年長の1年は転勤後に購入した自宅のいろいろをしながら、保育士試験に無事合格し、PTAの委員をしたりして過ごしました。

娘が小学校に上がり、ペースもつかめてきた夏のこと、一通のメールが届きます。
それはガイアモーレの須子さんからでした。

実は20代の頃にご一緒したことがあり、夏のイベントのお誘いをくださったのです。
それには行けなかったのですが、「せっかくだから久しぶりに会いましょう!」となり、その時偶然、スーパー秘書™という事業を立ち上げるというお話を聞きました。

その場で「私もそれ、やらせてください!」とお願いして、マネージャーとして現在に至ります。

スーパー秘書™のマネージャーとしての業務

マネージャーは、下記のような業務を行っています。

  • クライアントのお困りごとを引き出して、ときには進め方を提案しながら依頼内容をまとめる。
  • スーパー秘書™の成果物チェックやディレクション。
  • クライアントからの依頼に対して、スーパー秘書™でどのように業務を遂行できるか道筋をたてる。

1日の稼働時間や働き方

1日の稼働時間は、平均すると2〜3時間です。

他の用事で外出していることもありますし、タロットリーダー協会の理事もしているので、ガッツリPCに向かって仕事をする日と、メールチェックが中心の日とで時間には差があります。

また、自宅での仕事ですし、マネージャーという仕事の性質上、クライアントさまのご連絡に対して動くというスタイルのため、PCを立ち上げた状態で夕食の支度など、家事をしていることも。
大好きなドラマを見ていることもあります。

働く側とクライアントから見た、スーパー秘書™の魅力とは?

スーパー秘書™の魅力は、働く側からすると、「在宅で自分のペースで、自分の得意なことで働ける、それがクライアントさまのお役に立てる」、ということだと思います。

クライアントさまにとっては、「多岐にわたる業務を気軽に依頼できる」というのが魅力なのかなと思っています。
また、そういった業務依頼をいただくので、自分のスキルアップのスピードがアクセル全開なところもかなり魅力的です。

在宅で自分のペースでとなると、自分をマネジメントするのが苦手な方は「そんなの無理!」と思われるかもしれません。
通常のフリーランスであれば、マネジメント力がかなり問われると思います。

ですがスーパー秘書™の場合、もちろんセルフマネジメントというかセルフコントロールは必要ですが、一緒に取り組む仲間がいます。
オンラインのやり取りではありますが、仕事の相談をしたり、時にはプライベートな話をしたり、一緒に頑張っている仲間がいてくれる、というのは心強いです。

また、チームで仕事をしているので、自分に何かあったとき、もしくは家族に何かがあったときにフォローしてもらえるというのは本当にありがたいと感じています。

ガイアモーレという会社の体質や雰囲気も、マイペースを認めてくれる、というか多様性を面白がってくれて、同じように大切にしてくれる空気がとっても魅力だと思っています。

スーパー秘書™大募集中です!

スーパー秘書™の名前に尻込みする方が多いようです。
迷った末に応募した方、しなかった方がけっこういらっしゃいます。

個々が好きで得意なことを組み合わせて、チームとして「スーパー」を目指していますが、個人に「スーパー」であることを求めてはいません。
テープ起こし・入力などいろいろな仕事があるので、是非登録ください。
新入社員研修で習ったことが、しっかりできていればOKです。

特にスーパー秘書™マネージャーは、大募集中です!
お客様と秘書との間に入ってコミュニケーションが取れる方、ディレクション経験のある方は尚歓迎です。

専門知識は不要で、在宅勤務可能です。

「好きで得意な仕事を皆ができる社会に」がコンセプトのガイアモーレで、一緒に働きませんか?

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2011年から「ママが笑顔で働き続ける」をテーマに活動する起業ママのコミュニティです。 働き方の選択肢に「起業」を加えることで、ママの意欲に蓋をしない社会をつくりたい。 家庭での「ママ・妻」として、社会で「働く人」として、「自分を活かす働き方」を後押しするため、プロジェクト株式会社が運営しています。
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